よくある質問

「かぐや」のミッションはどのくらいの期間ですか? また、ミッションが終了したらどうなるのですか?
「かぐやのミッションは、平成20年10月末までの定常観測運用を行い、その後、後期観測運用を実施しました。
そして、平成21年6月11日午前3時25分10秒(日本標準時)、制御落下により月の表側(南緯65.5度 東経80.4度 GILLクレータ付近)に落下・衝突しました。
 
「かぐや」の観測データは、一般にも公開されるのですか? 公開されるとしたらいつ頃ですか?
「かぐや」の観測データは、観測機器チームによる確認・検証作業を行い、平成21年11月ごろを目処に公開する予定です。
 
「かぐや」のミッションマークが欲しいのですが、どうすれば手に入れられますか?
デジタルデータは、ダウンロードコーナーの「かぐや」イラスト集、またはJAXAのデジタルアーカイブからダウンロードすることができます。ご利用に際しては、ご利用案内を必ずお読み下さい。
また、SELENEプロジェクトではミッションマークを使ったシールを作成しており、JAXAの一般公開や講演など広報・普及を目的として配布しておりますが、販売は行っておりません。
 
平成19年10月1日に公開された地球の画像をパソコン画面の背景にすると、上下に伸びた映像になってしまいます。
平成19年10月1日に公開された地球の画像は、ハイビジョンテレビ(HDTV)で撮影された画像のため、アスペクト比(縦横比)が16対9になっています。通常のディスプレイは4対3ですので設定の仕方によっては、縦に伸びた画像になってしまいます。次の手順で比率を変えずに表示されます(なお、ディスプレイの解像度によっては、上下が切り取られて表示される場合があります)。
  • ディスプレイ上の何も無いところで右クリック
  • 「プロパティ」を表示
  • 「デスクトップ」タブの背景で画像を選択し、表示位置で「中央に表示」を選択
  • 適用ボタンをクリック
  • OKボタンをクリック
 
「地球の出」などのフルハイビジョンはどこで見ることができますか?
HDTVによるフルハイビジョンの動画については、教育目的等において広く学校教育などで利用していただくため、所定の手続きを経て、JAXAから無償で提供できるようになっています。また、報道機関に対しては、NHKから報道のためにフルハイビジョン動画を提供しております。
加えて、教育の一環やKAGUYAおよびJAXAの広報活動とみなせる場合、たとえば科学館などでのフルハイビジョンの動画展示についても、適宜、NHKおよび当該機関とも相談しながら、実施しております。
また、インターネットでは、動画配信ポータルサイト "Youtube" でハイビジョン動画をご覧いただけます。URLは、http://www.youtube.com/jaxachannel です。

なお、HDTVの動画の著作権が宇宙航空研究開発機構(JAXA)と日本放送協会(NHK)の両者に帰属しております。

観測映像上映場所 (上映機器によっては、ハイビジョン映像ではない場合があります。予めご了承下さい。)
 
「かぐや」はアポロが着陸した月面を観測しますか? 月面車などを見つけることは出来るのでしょうか?
「かぐや」では、月の全域を観測するための地形カメラ(TC)、マルチバンドイメージャ(MI)などを搭載しており、地形カメラでは10mの分解能で月の表面を観測しています。したがって、アポロの着陸点も観測しています。しかしながら、アポロ着陸船などは10mよりも小さいために、「かぐや」でアポロ着陸船などを判別することは困難と思われます。

ハイビジョンカメラが撮影したアポロ17号着陸地点付近

アポロ17号着陸地点図 ハイビジョンカメラで2007年11月19日に撮影されたハイビジョン動画からアポロ17号(1972)の着陸地点付近(中央やや下の南北にあるタウルス山地 (Montes Taurus)に挟まれた部分)を切り出した静止画像です。左側に広がるのが「晴れの海」です。


なお、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成20年2月24日に地形カメラ(TC)がアポロ15号の着陸地点(雨の海を取り囲むアペニン山脈の麓、ハドレー谷付近)を観測したデータに基づき作成した立体視画像により、アポロ15号のエンジンの噴射によって生じた「ハロー」と呼ばれる噴射跡と考えられるものを確認しました。
アポロ15号の噴射跡とおもわれる解析画像
左図は「ハロー(噴射跡)」とみられる付近の地形カメラの拡大画像(1km四方の画像。赤い円が「ハロー(噴射跡)」と考えられる場所)で、アポロ15号のエンジンの噴射によって、表面の状態が変わり明るくなった「ハロー(噴射跡)」とみられるものが確認できます。
プレスリリース>>
 
ハイビジョンカメラで地球を撮影できるのはいつ?
右の図は、月を高度100km上空で回る「かぐや」のハイビジョンカメラ(HDTV)で地球を撮影するときのイメージ図です。
「かぐや」は月の南極と北極を結ぶ円(極軌道)をまわっており、なおかつ、ハイビジョンカメラ(HDTV)は「かぐや」の進行方向(望遠カメラ)と進行方向反対(広角カメラ)に向けて設置されています。このため、地球をハイビジョンカメラ(HDTV)で撮影できるのは、月の北極、あるいは南極の地平線ごしに「かぐや」から地球が見える時のみとなっています。
「かぐや」のハイビジョンカメラ(HDTV)で地球を撮影するときのイメージ図


「かぐや」の軌道、月と地球の1年の季節ごとの位置関係
左の図は、「かぐや」の軌道、月と地球の1年の季節ごとの位置関係をあらわしたものです。
この図をご覧になればわかるように、「かぐや」が月を回る軌道は、月が地球のまわりを1ヶ月でぐるっと1回転する間もほとんど変わりません。
このため、地球をハイビジョンカメラ(HDTV)で撮影できるのは、1ヶ月に2度(図の上と下の月位置で、月の北極、あるいは南極の地平線ごしに「かぐや」から地球が見える時のみ)しかないことがわかります。
そして、太陽が当たっている地球(=地球の昼)を撮影できるのは、上で説明された条件に加えて地球、月、太陽と「かぐや」の軌道が一直線という位置関係になる時(図の上と下から太陽が照らす時)だけ、1年に2度、ハイビジョンカメラ(HDTV)が2008年4月6日(日本時間)に撮影したような「満地球」を撮影することができます。

もちろん「満地球」でなくともよいなら、1ヶ月に2度、2007年10月18日(日本時間)に撮影したような地球の画像を撮影できます。


なお、「かぐや」が月を回る軌道の向きは、かぐやが月を回り始めた時からほとんど変わっていません。
最初に回り始めた時の軌道は、打ち上げ日の地球と月の位置関係から最も効率よく月に行けるように計算をした結果に基づいて決まっています。
また、「かぐや」の位置は、太陽や地球からの距離に換算することも可能ですが、「かぐや」の運用では、方向は地球の赤道面あるいは月の赤道面を基準にして、距離や速度は月中心を基準にして表します。
なお、月面を観測する科学データ解析の際には、月に固定した(月の赤道面を基準にした)緯度・経度を使うのが一般的です。
上の図は地球の軌道面を基準にした黄経、黄緯(地球の赤道面を基準にした赤経、赤緯でもほとんど同じ)で描かれています。(図の面内の方角が黄経、図の表裏に飛出る方向が黄緯、黄緯90度の方向から見てる)
かぐや軌道の黄経、赤経は変化してませんが、月の向きは1回転してるので、月の経度で表すと、ぐるっと360度まわります。
 
ハイビジョンカメラ(HDTV)の映像に、星が写っていないのはなぜですか?
星の明るさは数字(等級)で表しますが、数字(等級)が大きいほど暗く、小さいほど明るいことを示します。
月の明るさは、満月で-12.6等級というとても明るいもので、惑星の中で一番明るく見える金星は最大で-4.7等級です。しかし、夜空で最も明るい恒星シリウス(おおいぬ座α星)は-1.4等級で、金星と比べておよそ20分の1の明るさしかなく、肉眼で明るく見える恒星(1等級の星)は、金星のおよそ190分の1の明るさしかありません。
ハイビジョンカメラ(HDTV)は、月面や地球の撮影に向くように仕様が定められています。このため、過去に金星が月や地球と一緒にハイビジョンカメラ(HDTV)で撮影された映像がありますが、金星よりも暗い他の星は、ハイビジョンカメラ(HDTV)のフレームに収まっていても、残念ながら見ることができません。

JAXAデジタルアーカイブス > ビデオアーカイブス > 地球の出と金星
 
かぐやを月面に落下させたのはなぜですか?
月周回衛星「かぐや」は、月面上に制御落下させました。「かぐや」本体や燃料などにつきましては、有害な汚染や他国の活動に潜在的に有害な干渉を及ぼさないよう規定している国連決議による宇宙条約を遵守しております。

運用終了後、軌道高度を上げ半永久的に月を周回するような軌道などに投入する措置や、地球に戻して大気圏に突入させて燃焼という対応も考えられますが、それには、「かぐや」に倍以上燃料を搭載しなければならないなど、ミッションそのものに大きな影響が出てまいります(「かぐや」で実施できることが簡単にいえば、半分以下になります。)

現時点でミッションを成功に導くための確実性、生産性、コストパフォーマンス、月面環境に与える影響など、様々な点を考慮した結果、今回のようなミッションスタイルをとらせていただいております。
本ミッションの主旨を何卒ご理解いただきますようお願いいたします。

宇宙ゴミの問題は、月面に限った事ではなく、地球周回軌道上も含めた共通の課題ですが、現在日本をはじめ多くの国や機関で話し合いが行われ、具体的な対応策を検討しはじめているところです。


JAXAや宇宙航空開発全般に関する質問については、JAXAお問い合わせページのよくある質問と答え(FAQ)をご覧下さい。