現在の月の磁場・プラズマ環境を観測すると同時に、30~40億年前の月の磁場・プラズマ環境および月深部の進化を研究することを目的にしています。
LMAGの磁力計では、地球磁場の10万分の1より小さな磁場まで観測できるようになっています。センサを衛星本体から12m伸ばした超軽量マストの先に取り付け、衛星上の機器が発生する磁場の影響がないように工夫してあります。
LMAG磁力計により、マスト先端のセンサ位置の月磁場の方向と強さを測定します。IEA-S, IMA-Sには電気的に感度を変える機能があり、更にIMA-Sにはイオンの質量を測定する為の質量分析器が取り付けられています。
月表面の磁気異常
月表面にはいくつもの磁気異常(異常に大きな磁場)が分布しています(図2)。LMAGの観測から、それらの詳細な観測が行われ、磁気異常の成因および40億年前の月磁場存在の有無に関する研究が大きく進むと期待されます。
図2:月磁気異常の例
主要な観測性能
磁場観測 Magnetic field observation (LMAG) |
分解能 Resolution |
16 bits |
---|---|---|
精度 precision |
<0.1 nT | |
測定間隔 Sampling interval |
1/32 sec |
綱川 秀夫
Hideo Tsunakawa
東京工業大学
大学院理工学研究科
地球惑星科学専攻