ガンマ線分光計(GRS)
観測機器概要

γ(ガンマ)線分光計

ゲルマニウム半導体(Ge)をスターリング冷凍機でマイナス180℃以下に冷却したものでガンマ線を測定します。このGe検出器は、従来の検出器に比べエネルギー分解能が約10倍以上優れているため、月面で発生するさまざまなエネルギーのガンマ線を高精度で識別でき、10種類以上の元素に関して月面存在量を測定します。

γ(ガンマ)線分光計 γ(ガンマ)線分光計


観測の原理
  1. 銀河宇宙線(~陽子)が月面に入射し中性子が発生します。
  2. 中性子が月の物質と反応し、元素に固有のエネルギーを持つガンマ線が発生し、また天然放射性元素からもガンマ線が発生します。
  3. ガンマ線を周回衛星から観測し、月面の物質組成を特定します。
観測の原理



期待される成果

GRS

  • 月面の元素(K, U, Th, O, Mg, Al, Si, Ti, Fe, Ca, H, etc.)の存在量を高精度に計測し全球マッピングをすることで月の起源や進化の解明に迫ります。
  • 月の資源利用の重要な資料を提供し、特に月の極域に水があるかどうかを調べることができ、観測データは将来の月面での人間活動への準備に役立てられます。
高精度の元素存在量測定
高精度の元素存在量測定
水の証拠 - 水が存在すればHのピークが見えます
水の証拠 - 水が存在すればHのピークが見えます


PI紹介
GRS 長谷部 信行 Nobuyuki Hasebe

長谷部 信行
Nobuyuki Hasebe


早稲田大学
理工学術院