リレー衛星中継器(RSAT)の観測データを解析して得られた月全球の重力異常データ
  (月重力場モデル(SGM90d)より導出)

リレー衛星中継器(RSAT)のミッションでは、2007年11月6日に世界で初めて月裏側の重力場の直接観測(4ウェイドップラー観測)を成功して以降、重力場の観測を継続しています。

RSAT/VRAD観測機器チームで、この観測データを解析し、新しい月重力場モデルを作成しています。

定常運用期間(2008年10月)までの観測データを用いて作成した 月重力場モデル(Selene Gravity Model:SGM90d)より月全球の重力異常*1データ (フリーエア異常*2およびブーゲー異常*3)を公開いたしました。 データは下記リンクよりダウンロードすることができます。

(1)フリーエア異常
ファイル名 = SGM90d_free_air_gravity_anomaly_map-latitude_longitude_mGal.csv
フォーマット = CSV
説明 = 月重力場モデル(Selene Gravity Model:SGM90d)から作成したフリーエア異常マップ
1列目 = 緯度
2列目 = 経度
3列目 = フリーエア異常(単位:mGal)

(2)ブーゲー重力異常データ*3
File Name = SGM90d_Bouguer_gravity_anomaly_map-latitude_longitude_mGal.csv
フォーマット = CSV
説明 = 月重力場モデル(Selene Gravity Model:SGM90d)およびレーザ高度計(LALT)による地形モデル(STM-359_grid-02)から作成したブーゲー異常マップ
1列目 = 緯度
2列目 = 経度
3列目 = ブーゲー重力異常(単位:mGal)

RSAT 主研究者 = 並木 則行(九州大学)
作成日 = 2008年12月5日

*1 重力異常(gravity anomaly)
月の重力は一様ではなく、地形や地下に存在する物質の密度に応じて、地域毎にごくわずかな重力の強弱があります。それぞれの地域での重力値から月全体の平均を引いた差を重力異常と呼びます。
*2 フリーエア異常
それぞれの地域での高さの影響を補正した重力値(SGM90d)から、重力の平均値を差し引いたもの
*3 ブーゲー異常
高さの基準0m(重心を中心とする半径1737.4kmの球)から測定点までに平均的な岩石が存在すると仮定し、その岩石による重力の影響を取り除いた値。